子どもに関わる社会的・教育的・保育的背景を広く学び、教育・保育の理論と時代の変化に対応できるコミュニケーション力や実践力を身に付け、高い教養と専門性をもって、社会に貢献できる専門的職能人としての教育者・保育者(幼稚園教諭・小学校教諭・中学校教諭・保育士)の育成を目的としています。教育・保育に関わる専門的な知識や技能に加えて、豊かな人間性や社会性を身に付け、高度な指導力や地域貢献力を備えた教育者・保育者を育成しています。
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児童教育学科では1971年(昭和46年)以降、教員養成校として5,000名以上が小学校教諭一種免許状を取得し、また数千名の公立の保育所・幼稚園で活躍する保育者を輩出しています。
現在校長先生や園長先生として、多くの卒業生がさまざまな地域で活躍をしています。
学生一人ひとりの将来への高い志と、本学の親身なキャリア支援が、優れた就職実績を維持する確かな成果につながっています。
理論を学ぶ授業と実践的な演習・実習を関連させながら知識や技術を身につけるカリキュラムにより、教育者に必要な専門能力を養っています。
教員採用試験合格率も高いレベルをキープし、「先生になりたい」という学生の強い意志に応えています。
講義で得た知識・技術の理論と、実際の子どもとのふれあいを通した実践を往還することにより、子どもの目線で考える力が養われ、
保育・教育現場が求める実践力を持った保育者に成長できます。
公務員(保育職)試験にも多数合格しています。
※2023年4月より児童教育学専攻と幼児保育学専攻を統合
物語を読む楽しさを子どもに伝える力は、教師にとって大切な資質の一つ。小説や映像作品を様々な観点から読み解き、読解力、思考力、表現力を高めます。
児童相談所の役割、児童虐待の背景、子育て支援の現状など具体的な事例検討も取り入れ、子どもの健やかな成長を最優先させる大切さ、援助者としての使命について学びます。
乳幼児期から幼児期、学童期へと連続する子どもの発達や、子どもの心、子どもと保育者の関係性などを学び、子どもや保育者となる自分自身への理解を深めます。
子どもたちと信頼関係を築くための姿勢や態度を身につけ、子どもたちの抱える悩みに対応できる実践力を養います。不登校やいじめなどの教育問題についても考えていきます。
子どもの音の感じ方や表現力を育むための指導法を学びます。歌唱・器楽・音楽づくり・鑑賞の各教材による総合的な教材研究や模擬授業を通して、指導者として必要な表現力や鑑賞力を養います。
「個」「他者」「地域」という観点から社会との関わりを背景として教育について研究・発表します。グループごとにさまざまな課題の解決方法を探究し、教育現場の多様なニーズに応える実践力を養います。
言語学(語用論)・英語教育学を学び、伝えたい情報を過不足なく明確に相手に発信し、他者(異文化)の視点を尊重しながらことばで人間関係を築いていく「コミュニケーションスキル」に理論と実践の両面からアプローチします。学生主体の発表・ディスカッションに加え、「ことばのバリアフリー」化のための実地調査、小学校授業参観、学会参加など学外授業にも精力的に取り組んでいます。
ゼミでは、各自が絵本に関する文献や絵本作品の発表を担当し、みんなで討論します。一人だけで読んでいては見つからない発見がそこにはあります。また、学内外でのワークショップに参加し、他ゼミと合同で絵本をテーマにした森を作ったり、絵本シアターの企画という活動にも取り組んでいます。議論や準備を通して培ったゼミの団結力はピカイチです。学生主体で活動し、教員は見守りに徹しています。
テレビドラマが描く教師像の変遷
時代が変わっても変わらない「信頼される教師」をめざして。
文学部 児童教育学科 児童教育学専攻※ 2024年3月卒業
愛知県立新川高等学校出身
伊藤 舞佳さん
本学での学びを通して、子どもが安心して発言できる環境を整えるためには「この先生になら受け入れてもらえる」という信頼を得ることが大切だと考えました。そこで「信頼される教師像とは?」を定義付けるために、1990年代のテレビドラマ「GTO」から、2023年の「最高の教師」まで、約20年間に放映された4本の人気ドラマに登場する教師たちがどのように描かれているのか、時代背景によって変遷する教師像の研究をしています。ドラマのどこに焦点を当てるかに苦戦しつつも、嫌われている先生と比較するなど幅広いアプローチで取り組みました。また、研究を進めるにつれ、生徒に求められている先生には「先生が生徒のことを信頼している」などの共通点があることに気が付きました。私自身も、卒業後は教師として経験を積み重ねながら、信頼される教師の理想像を考え続けます。
インクルーシブ保育でのクラス集団づくりにおける
子どもたちへの支援についての考察
研究結果や文献を読み解き、
矛盾の中から多様性と個性を考える。
文学部 児童教育学科 幼児保育学専攻※ 2024年3月卒業
愛知県立安城南高等学校出身
犬塚 桃子さん
インクルーシブ保育とは、障害や国籍に関係なく一人ひとりを尊重し、それぞれの在り方を認め合う保育のことです。保育実習でADHDの子と接したことをきっかけに、研究テーマとしました。インクルーシブ保育についての先行研究を学んでいると、障害の有無などで子どもを隔てないという考えがあるにも関わらず、文献調査では障害児だけが注目されている矛盾が生じていることに気がつきました。そこで今は、実際にインクルーシブ保育が行われている園を訪問し、インタビューや観察を通して研究を進めている段階です。卒業研究では、自分が求める文献に出会うことが難しく、先生に相談したり多くの文献を読み込むことで乗り越えました。頭の中で整理しながら読み解く力や語彙力、さらには文章力が身につきました。卒業後は、個性を大切に子ども同士の関係をつなぎ合わせて、誰もが「園に来ることが楽しい環境」を提供できる保育者をめざします。
※2024年4月より児童教育学部へ学部名称変更、2023年4月より児童教育学専攻と幼児保育学専攻を統合
荒川 志津代教授
子ども学 教育心理学
伊藤 充子教授
音楽(ピアノ)
小椋 郁夫教授
教職入門 環境教育
渋谷 寿教授
美術教育学 玩具デザイン
髙橋 哲也教授
生物教育 生理学 医療
坪井 眞里子教授
音楽(音楽教育・声楽)
羽澄 直子教授
アメリカ文化 異文化理解
服部 幹雄教授
応用言語学 英語教育学
堀部 要子教授
特別支援教育(人間発達学)
桝川 知教授
教師論 教職入門
村田 あゆみ教授
絵本・児童文学 保育内容「言葉」
山本 忠教授
算数・数学教育学
吉村 智恵子教授
幼児期の発達と保育
稲木 真司准教授
音楽教育学 作曲
Hosam Elmetaher准教授
応用言語学 TESOL
榊原 剛准教授
特別支援教育(障碍児教育学)
杉原 央樹准教授
教育哲学 教師論
堀 祥子准教授
美術教育学 造形表現研究
吉川 直志准教授
理科教育 物理学
大志民 彩加講師
現代日本語学 認知言語学
勝田 拓真講師
教育相談 社会科教育
門松 愛講師
幼児教育・保育 比較教育
佐々木 基裕講師
教育原理 教育社会学
柴田 悦子講師
幼児教育
出木 良輔講師
日本近代文学
山田 勝講師
臨床心理学
権野 めぐみ助教
健康・スポーツ科学
子どもの意欲や能力を引き出す効果的な指導方法、教材の選び方・つくり方、さらに必修化された外国語活動に必要な英語力の養成など、教育現場で必要な知識や技術習得のための実践的授業が充実しています。また講義で得た知識・技術の理論と実際の子どもとのふれあいを通した実践の往還により、子どもの目線で考える力が養われます。
音楽教育・表現ゼミナールでは、ハンドベル演奏、ミュージカルに取り組んでおり、コンサート活動を積極的に行っています。クリスマスには、「ハンドベルクランツ」をいうチーム名で、児童館、保育園、図書館等でコンサートを実施しました。子どもたちとの関わりを大切に、パネルシアターや参加型の活動を取り入れ、ハンドベルの演奏と共に大人も子どもも楽しめるコンサートをめざしています。今年度は愛知県芸術劇場コンサートホールでの演奏の機会をいただき、本格的な演奏の場で力を発揮することができました。毎年2月には卒業演奏会を実施し、4年間の学びの集大成として発表を行っています。学生たちは、音楽表現の実践を通して、現場での教育力、表現力を学んでいます。
本学科の学びは採用試験合格で終わりではありません。卒業後各地で働く先輩との懇談会を開催しており、小学校、公立幼稚園・保育所、福祉施設に勤務する卒業生たちが現場の様子や専門職としての仕事について生き生きと語ってくれます。新卒の1年生から校長・園長職を務めるベテランまで、歴史の長い名女大ならではの貴重な懇談会です。産休や育休についてや新人と2年目との違いについて、学生時代にしておくとよいことについてなど、教室では学べない生の声に在学生たちは興味津々です。先輩との交流を通して教育者・保育職への明確なビジョンが形成されます。
児童教育学科では、2002年よりオーストラリアでのスクールインターンシップ、ホームステイ体験を教育活動の一環として企画してきました。学習指導要領の改訂による小学校高学年での「外国語」の教科化だけでなく、近年、保育の領域においても、異文化に触れ親しむことが重視されています。「海外スクールインターンシップ」では、実際にオーストラリアの小学校・幼稚園等において、日本文化を子ども達に伝えるという教育体験をすることができます。また、ホームステイでのホストファミリーとの交流は、異文化理解を深めるために非常に有効です。この経験は、教員・保育者としての資質を高めることにつながるはずです。
整ったピアノの練習環境で、
弾き歌いの技能が高まっています。
文学部※ 児童教育学科4年幼児教育学専攻
愛知県名古屋女子大学高等学校出身
鴨志田 涼香さん
保育者になる上で不可欠なピアノが苦手なことに不安がありましたが、本学は練習環境が整っており、少人数指導や個別指導などを通して技能を向上させることができました。特に仲間の前で発表する弾き歌いのテストはとても緊張しましたが、先生の丁寧な指導のおかげで胸を張って発表できたと思います。この経験が自信につながり、保育実習では子どもたちと一緒に元気よく音楽を楽しみました。他の授業でも演習形式が多く、ペープサートを製作した授業では仲間の前で模擬保育を実施。フィードバックから改善点を学び、人前で話すのに慣れたことで、堂々と発表ができるようになりました。本学科の先生方は、元園長先生など実際の保育現場を経験した先生が多く、現場の状況を想定しながら教えてくださいます。とてもわかりやすく、知識と技術の定着を実感している毎日です。
入念な準備で成功した教育実習。
授業づくりの楽しさを体感できました。
文学部※ 児童教育学科4年児童教育学専攻
長野県蘇南高等学校出身
伊藤 優希さん
小学校教諭と国語教諭(中学校)の免許が取得でき、どちらも腰を据えて学ぶことができる児童教育学を専攻しました。特に有意義だと感じる授業は、全教科の「教育法」です。模擬授業で自分たちで指導案を組み立てて学生や先生方の前で発表した経験は、教育実習でも役立ちました。仲間の模擬授業を見ることも新たな学びの発見になり、さらに先生からのフィードバックで理解を深めることができています。またグループワークを行う授業が多く、仲間と助け合い協力し合う協調性や、任された役割を全うするための責任感が身についていると感じています。子どもたちと触れ合った教育実習では、私の声のかけ方ひとつでクラスの雰囲気や子どもの反応が大きく変わることに気が付きました。将来は子どもと関わる時間を大切に、寄り添い一緒に成長していける先生をめざします。
※2024年4月より児童教育学部へ学部名称変更、2023年4月より児童教育学専攻と幼児保育学専攻を統合